2023年12月09日

ストーリーが世界を滅ぼす

書籍「ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する」を読了。
最近AmazonのPrime Readingで無料の本ばかり読んでいたんですが、ある方がお勧めしていた本書を思わずポチっと衝動買い。

物騒なタイトルですが、その名の通りこちらで語られるのは「物語」。人間は現実社会に向き合う際、複雑な現実を鋳型に嵌めて単純化して判断したがる生き物であると著者は主張します。その鋳型が物語。典型的なのが、悪者、虐げられる人、英雄という三者の図式。そしてその物語を信じた人は一貫性と秩序を守るため必死でそれを守るというのです。なぜ、キリスト教などの世界宗教が爆発的に普及したのか。そしてなぜ、この21世紀の現代社会において荒唐無稽とも思える陰謀論や地球平面説を信じる人がいるのか?物語は、それらの問いへの答えでもあります。
象徴的な一文がこちら。
「とりわけテレビは人々をゾンビ化し洗脳して中流白人の慣習に染めると言われた。批判した人々の懸念が間違っていたわけではない。彼らにはそれに取って代わるテクノロジーが輪をかけて悪質である可能性を見抜けなかったのだ。」

昨今、トランプを支持する人がいたり、陰謀論にハマる人が目立つようになり「人類全体の知能が低下しているんじゃないか」と個人的に懸念していたことがあるのですが、その現象の理由が見事に説明されているように思えました。現代社会において、物語を形成するのは主にインターネットであり、特にSNSが元凶であると。SNSのエコーチャンバー効果などの副作用は指摘されて久しいですが、まさに言い得たり。上記の引用の通り、保守やリベラルを問わず極端な持論を持つ人の多くは従来のメディアである新聞やTVを嘘っぱちだと主張し、インターネット上の胡散臭いブログ等の「信じたいもの」だけを盲目的に信じています。

本書が公正なところは、特定の立場だけでなく著者自身の立ち位置であるリベラルをも物語の影響を受けていると看破しているところです。学者などの知識人にリベラルが多いのは統計的な事実だそうです。私自身もリベラル寄りの考えなので、そりゃマトモの人なんだからそうなるでしょと擁護したくなるんですが、学術界ではリベラルに反する意見は叩かれ排除される傾向があるという事実を知りハッとしました。

そして罪を憎んで人を憎まずというか、極端な物語に支配されてトンデモ主張をしている人は悪人ではなく本質的には無辜の人であり、物語を信じこまされた憐れな被害者であると述べます。対立を煽るのではないスタンスが素晴らしい。
ただし、物語を意識的に悪用しているトランプに至っては徹頭徹尾ボロクソに書いています。名前を書くのも憚られるということで本書ではトランプの名前は使われず「デカメガホン」という表現が使われています。個人的には痛快でした。ああいう存在は民主主義特有のバグであり、人類社会における癌細胞だと思います。世界中で、第二、第三のトランプが台頭しているポピュリズム跋扈の時代にあって、本書のような冷静な分析が多くの人に共有されることを願ってやみません。

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2023年11月18日

岸辺露伴ルーヴルへ行く

映画「岸部露伴ルーヴルへ行く」を観賞。
「岸辺露伴は動かない」シリーズのTVドラマ化が割と良い感じなので全部見てます。今作はそのシリーズの映画版。原作漫画はきちんと読んだことが無いのですが、かえってその方が良いのかなと思いました。ただ、実写版を見ると原作も絶対に読みたくなるのですが…。
怪しい雰囲気と、どんな結末になるのか読めない展開は相変わらずで楽しめました。ただ、キーパーソンとなる方の存在が結局なんだったのかが最後腑に落ちず紋々としております。。
評価:★★★☆☆

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2023年07月29日

シン・仮面ライダー

映画「シン・仮面ライダー」を観賞。
シン・ゴジラ」は中々楽しめて、「シン・ウルトラマン」は冒頭ちょこっと見て中断しました。で、今作はどうだろう…という感じでしたが、結論としてはまぁまぁ楽しめました。

この3作に共通するのは、いずれも好きなキャラクターだけどオリジナルの映画やTVを殆ど見たことがないということ。ゴジラについては書籍やカセットの音だけで楽しんでいましたが、ウルトラマンと仮面ライダーはそもそも世代が違ってて、せいぜいウルトラマン80や仮面ライダースーパー1あたりぐらいがリアタイです。(それらもまともに見たことはないんですが)

そんな私が見た感想としては、各怪人との闘いがコンパクトにまとまっていてテンポが良かったということ。仮面ライダーの造形が大好きなので、ビジュアルで楽しめたことでしょうか。しかしショッカー隊員達を惨殺するシーンは衝撃でした。特撮に出てくる雑魚って、シバいて足腰立たない程度にやっつけているという解釈だったんですが、そう来るかと…。

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評価:★★★☆☆
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2023年02月21日

ブラック・スキャンダル

映画「ブラック・スキャンダル」を観賞。
ギャングのボスであるジェームス・"ホワイティ"・バルジャーが関するFBIの汚職事件を元にしたノンフィクション作品です。バルジャー役をジョニー・デップが怪演しています。毛髪が薄かったので「ラスベガスをやっつけろ」の時のように髪の毛を剃ったのかと思いきや、今回は特殊メイクでした。メイクも凄いですが、演技も迫真。人情があるかと思いきや、とことん残酷になる二面性。映画自体は事実ベースということもあり、派手な脚色などはなく淡々としていますが、登場人物の感情を静かに、かつリアルに描いており、退屈することはありませんでした。
評価:★★★★☆

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2023年01月07日

劇場版 呪術廻戦 0

「劇場版 呪術廻戦 0」を観賞。
本編は漫画で途中まで読んでましたが、話がややこしくなってきたあたりで頓挫。アニメは1話だけ見たという完全なるニワカですが、King Gnuの主題歌が感動的だったので、ボロボロ泣けることを期待して観ました。
主人公が本編とは異なるので、知らない方でもある程度楽しめると思います。でも、途中でお馴染みっぽいキャラクター達が活躍するシーンはやっぱり知ってた方がより楽しめるだろうなーと思って観ておりました。五条先生が目を出すのも初めて観ましたが、あれも「オォッ」となるポイントですよねきっと。
夏油(げとう)の顔って本編でも似たようなのいたなーと思ってたら同一人物なんですね。さきほど色々ググッてちょっとまた読みたくなってきました。
そしてこの映画。ラストの展開はそう来たか…という感じでグッときました。ボロボロではないけど、ホロリと…。
評価:★★★★☆



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2023年01月04日

インフェルノ

映画「インフェルノ」を観賞。
個人的お正月休みの映画シリーズ、最後の一作。
先日観た「天使と悪魔」の続編です。前作にも増して、主人公のラングドン教授は冒頭から災難に遭いっぱなしです。ブルース・ウイルスばりの体を張ったアクションの数々。ただの教授なのに…と気の毒になってきます。
人類全体の利益のために特定の人間の犠牲を止む無しとするテロリスト的思想との闘い、そしてウイルスというある意味今の時代にフィットする内容でした。誰が敵で誰が味方なのか分からない展開は前作同様。ちょっと今回はご都合主義が目に付いてしまう点が多かったとはいえ、中々上質な娯楽映画だと思います。お正月にはこういうのがいいですね。

評価:★★★★☆

posted by Touchy at 15:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画